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『天子のパーフェクトギョウチュウ検査』


天人にとって死は死足りえない。
不老の体と寿命を持ってしても死神を追い返す力により、天人は永遠に生きることができるのだ。
その皮膚はナイフすら通さず、その身体はあらゆる病を打ち払う。


しかし、そんな天人にもどうしても避けられない問題がある。
それはギョウチュウ検査。






天界は有頂天。
そこに居を構える館の中で二人の少女が見合っていた。
一人は不良天人こと比那名居天子。一人は龍宮の使い永江衣玖だ。
天子はひどく不満気な顔を衣玖に向け、口を尖らせている。


「……なんでそんなのが必要なのよ。この私がギョウチュウなんかにやられるとでも?」
「残念ながら総領娘様。このギョウチュウはただのギョウチュウではありません。釈迦様の入滅した日に生まれしギョウチュウなのです。いかに天人といえど処理を怠るわけにはいきません」


そう言いながら、衣玖は天界から支給された検査シールを取り出した。
羽根の生えた赤ん坊がプリントされた袋を開ければ、渦巻き模様の描かれたシールが出てくる。
天界では誰もが知るギョウチュウ検査シールである。


「総領娘様。まだ排便はしておりませんね」
「も、もちろんよ」
「結構です。ではワンワンちゃんになってください」
「ちょっ! 子ども扱いしないでよ!」
「牛さんの方が良かったですか?」
「そういう問題じゃなくて」


言いながら天子は手足を床につけ、お尻を上げた格好になる。
わずかに紅潮した頬を合間って、男を誘っているように見えなくもない。


「もっとお尻の穴が見えるようにしてください」
「こ、これでいい……?」


くいっ、と突き出される天子の尻。
桃を食ってばかりいるだけあって、実によい桃尻である。
しかし、そんなもんは衣玖には関係ない。
乱暴な手つきでスカートをまくり、下着を膝まで引き摺り下ろす。
露出された小さな窄まりを確認すると、シールのフィルタをめくり狙いを定めた。


「はい。では検査しますね」
「う、うん――――ったぁぁぁぁぁぁ!!」


いきなり肛門に走った激痛に、たまらず立ち上がろうとする天子。
しかし、膝まで下ろされたパンツに足を取られ、盛大にずっこけた。
下半身丸出しのまま顔面で床にキスする天子。


「なにをやっているんですか総領娘様。新手のMプレイですか。生憎衣玖にはそういう性癖はないので、下界の巫女や妖怪を誘ってください」
「違うわよ! 何よ今の! めちゃくちゃ痛かったわよ!? お尻裂けるかと思った!!」
「およよ? はて、特に変なことはしていないはずなのですが」


そう言った後、衣玖はシールに書かれた説明文をまじまじと見つめた。


「ああ。これ、押し付けるだけでいいんですか。間違えて思いっきり入れちゃいました」
「きちんと注意書きを読みなさいよ!!」
「失礼しました。衣玖は空気が読める女なもので」
「……どういう意味よそれ」
「気にしないでください総領娘様。今度こそ」


天子の穴の形に変形したシールをゴミ箱に入れ、新たなシールを取り出す衣玖。
手招きされた天子は訝しげな視線を投げかけながら、しぶしぶとワンワンスタイルを取る。


「では、検査しますね」
「う、うん」


……ねちょ。


「ねちょ?」
「あ、すみません。検査シールかと思ったら納豆の蓋でした」
「なんでそうなるのよ!!」
「今朝食べたもので。それに衣玖は空気が読める女なので」
「だからどういう意味よそれ!」
「では今度こそ」
「次こそは真面目とやりなさいよ」
「もちろんです。衣玖はいつでも真面目です」


三枚目のシールを取り出し、衣玖は天子の尻へ思いっきり突き立てた。


「の――――――っ!!」
「およよよよ。すみません。検査シールかと思ったら極太アナルバイブでした」
「衣玖!! あんた絶対わざとやってるでしょ!! 何が悲しゅうてギョウチュウ検査で尻にバイブ突き立てたれなきゃならないのよ!!」
「滅相もございません。ただ衣玖は空気が読める女なものでして」
「うが――――っ!! そこへ直れ! 制裁してやる!!」
「それは困りましたね。仕方が無いのでサタデーナイトフィーバー・コンパクト」
「あびょぅ!?」
「さて、大人しくなったところで検査をしましょう」


突然の電撃であっという間に白目を剥く天子。
その身体を開放しつつ、テキパキと衣玖はギョウチュウ検査を済ませた。








後日。


「総領娘様」
「近寄るんじゃないわよ!」
「およよ。すっかり嫌われてしまいました」


天子の瞳は野良育ちの子猫のよう。
近づけばひっかくぞと言わんばかりの敵意を持って、衣玖を威嚇していた。


「しかし総領娘様。この話は聞いてもらわないと」
「うるさい! 近寄るな! 今すぐ紐なしバンジーして死ね!」
「陽性です」
「……え?」
「ギョウチュウ検査の結果、陽性でした。つまり総領娘様にはギョウチュウがいるわけです」
「え? え?」
「という訳で治療のために衣玖が付きっ切りで看病することになりました。すでに父上の許可は頂いておりますので、どうぞご安心を」
「ま、待ちなさいよ! ギョチュウって確か薬で治るんでしょう!? 看病とかいらないはずじゃ!?」
「いえいえ、なにせそれはイエス・キリストが没した時に生まれた悪名高いギョウチュウ」
「最初と言ってること違うし!?」
「まあともかく、これからもよろしくお願いします。総領娘様」
「い、いや――――――っ!!」


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