ぶらっくまんた

←戻る

『変態ナズーリンのスカトロ奮闘記 試し読み』


『堕ちた賢将~ナズーリンスカトロ陵辱~』

 

 深い森の中、ナズーリンはひたすらに走り続けていた。向かうべき場所などないそれは迷走と言うべきものだった。ただ危機から逃れるためだけに酸素を吸い込み、鉛の重さの足を前へと出す。
ざっ! ざっ! ざっ!
木々の間を走る三つの黒い影。振り返ったナズーリンが見たのは、木陰の間に輝く満月のような瞳だ。木々の間から漏れる星の光は途方もなく頼りなく、彼女の暗い未来を暗示しているようだった。
「うあっ!?」
木の根がナズーリンの足を絡み取る。視界がぐるりと一周し、小さな身体は枯れ葉の上に投げ出された。
「捕まえた」
状況を理解するよりも早くナズーリンの腕は万力のような力にねじ上げられ、完全に身体を拘束されてしまう。
六つの瞳がナズーリンを凝視する。口から覗くのは捕食者の証明たる鋭い牙。ひくひくと鼻を動かし首筋の匂いを嗅ぐ三匹の化け猫らに、ナズーリンは気丈な意志を保ちながらも身体の震えを止められなかった。
「にゃは。久々のご馳走だねえ。美味しそうだにゃー」
「早く早く! もう我慢できないよ!」
ナズーリンの腕をねじ上げているのは紅い髪を二つのおさげにした少女だ。その隣には緑の帽子を被った少女が待ちきれないとばかりに唇を舐めてあげている。
そして、二人の間から闇世の中でも異彩を放つ虎柄模様が目に飛び込んで来た時、ナズーリンの緊張は最高潮に達した。
「まったく。ナズは私の従者だろう? 逃げるなんて何を考えているんだい? ナズは私の思い通りにならなければならないのに」
「ご、ご主人……」
星の瞳の中にはかつての穏やかな色はない。色欲に染まりきり、捕食者としての狂気を帯びたその瞳をナズーリンは何より恐ろしく思う。
「さあ、ナズ。私を楽しませておくれ。簡単に壊れちゃダメだよ?」
「っ! うああああっ!!」
鋭い爪が縦に走り、灰色の服は無惨に破られ去る。ハリのある乳房と滑らかな腹部が星明かりの下にかすかに輝く。恐怖のために上気した肌を見て、三匹のネコは一様に舌なめずりをした。

 獣たちが野山をかけ赤とんぼが稲穂を揺らす季節。幻想郷は命蓮寺の一室に三人のネコ耳娘が揃っていた。
「しっかし、見事に化け猫を集めたもんだねえ。にゃはっ。珍しい組み合わせ」
「そうだね。猫同士なのに案外接点ないもんね」
そう言って笑い合うのは地霊殿の燐と八雲藍の式である橙だ。二人ともナズーリンに大事な用があるから来てほしいと呼ばれたクチである。その二人に対し、ちゃぶ台を挟んで正面には命蓮寺の寅丸星の姿がある。星は少し困ったような顔をして、湯飲みに入ったミルクをひとすすり。
「ごめんなさい。うちのナズーリンがいきなり。訳もなくこんなことする子じゃないだけど」
「いいよいいよ。しばらく死体が少なくて暇だったし」
「うんうん」
待ち時間の間にそれなりに打ち解けたのか、三人は幽香堂の茶菓子を口に含みながらからからと笑う。
「ありがとう。しかしナズの奴、一体何をするつもりなんだろう?」
その言葉を待っていたかのように、三人の正面にあったふすまが弾けるように開け放れた。
「すまない! 待たせてしまった!」
胸のペンデュラムを揺らしながら現れたナズーリンは三人のネコ娘を一望する。
キョトンとした瞳で招き人を見上げる三人。ナズーリンは大きく息を吸い、命蓮寺全体を響かせる声で高らかに宣言した。

「今日集まってもらったのは他でも無い! 私もメチャクチャにして欲しいのだ!!」

 時の流れが戻るのに、たっぷり秒針四半周必要だった。
「――えっと? ナズ? 聞き間違いかな? もう一回言って欲しいんだけど」
「聞いてくれご主人。私もかつては一介のネズミに過ぎなかった。その頃の生活と言うのはなかなかにスリリングだった。野山を駆け、エサを探し、時には人家に住み着いた。多くのものが私を殺そうと襲い掛かってきたよ。その代表が猫だった。猫との生死をかけた戦いの中、私は思ってしまったのだ。――襲われるのっていいな、と」
「ナズッ!! 目を覚まして! きっと貴方は疲れているのよ!!」
「私はいたって真面目だっ!! 真剣に話をしている!」
ナズーリンの唇が一文字に結ばれる。その真剣な眼差しに星は一歩身を引いてしまった。小柄な身体を自身の両手で抱き締め、どこか浮かされたようにナズーリンの告白は続く。
「……その後、毘沙門天様に召抱えられ、こうして人の形も持つことができた。だが、私の中では消えない『何か』があるんだ。猫に襲われたい。猫に虐められたいという本能が私の中で叫んでいる。最初は小さな思いだったのに、半月もすれば求めることを止められなくなった。それからは夢にまで……。夢の中で私はお尻の穴を弄られながら、ご主人の秘宝を口に詰め込まれるんだ。ちなみに秘宝とは糞尿の隠語だ」
「隠語にした意味がまったくないよナズ!! しおらしく上目使いなんかしながらとんでもない告白しないで!」
「ふんにょう……。うんちとおしっこってことだよね? うわあ……」
「スカトロ趣味かー。ナズりんはマニアックだにゃー」
ナズーリンの告白に橙は顔を赤らめ、燐はにへへと笑う。そんな二人を見ながら星はげんなりとした表情を浮かべた。
「二人はいいの? このままナズに付き合ってたらえらい目に会うよ?」
「どんな形であれナズりんの真面目な思いは受け止めてあげたいかな」
「私もです! 藍様に困っている人がいたら助けなさいと言われてます!」
「う……。それは、私だってそうだけど」
相反する感情に口を尖らせる星。そんな星の裾を掴みながら、ナズーリンは上目使いに主人を見上げた。期待と不安の入り混じった従者の表情に、星の中にある庇護欲がずきゅんと刺激されてしまう。
「ご主人は……やっぱりイヤなのか? 私みたいな変態には付き合え切れないか?」
「うっ!? い、いやそんなことは……ないけど」
「そうか! 安心したぞご主人!」
反転、ぱっと花開くように笑みを浮かべるナズーリン。そんな顔を見せられては今更NOとは言えない星だった。

「さあ、本能のおもむくまま、私を襲ってくれたまえ!! カモ――――ンッ!!」
「……と、言われても」
「どうすればいいんでしょうか?」
布団の上に転がり、誘うように身体をくねらせるナズーリン。その姿は確かに並みの人間ならケダモノになってしまいそうなほど魅力的ではある。
しかし、橙も星も困惑顔でもじもじと身体を揺らせているだけで、行動には移せていない。唯一平静を保っている燐は含み顔でにやにやと事態を傍観しているだけだ。
そんな三人を見ながら、ナズーリンはふうとため息をつき腕を組んだ。
「まあこうなると思っていたよ。そもそもそんな甲斐性がご主人にあれば、私だってこんなに悩まずに済んだわけだしな。ご主人が虎っぽいのは衣装だけだし」
「ひど!」
「実は事前に台本を作っておいたのだ。この日のために三日三晩徹夜で書いた」
ナズーリンは隣りの部屋から文庫本くらいの厚さのある紙束を取り出し、三人の前に差し出した。準備のいいことにふりがな付きで人数分+予備まできっちり用意されている。
「あー、ナズ? なにこの『堕ちた賢将~ナズーリンスカトロ陵辱~』ってB級ポルノビデオみたいなタイトルの冊子は」
「もちろん私を虐めるための台本だ。これならご主人や皆もちゃんと動けるだろう?」
「いや、そうかもだけど……。エッチの台本なんて初めて聞いたよ」
「ご主人。前例のないことに挑むことこそ人の叡智と発展の鍵だとは思わないか?」
「ナズ? なんか良いことっぽいことを言って誤魔化してもダメだからね?」
言い合いを続けるナズーリンたちの横で、橙と燐はミルクをすすりながら、紙束を開いていた。燐はぱらぱらと流し読みし、橙は一枚一枚食い入るように読んでいる。
その姿に星は頭を抱えた。
「私だけ? 私だけなの? こんな状況に心乱しているのは」
「台本は各自しっかりと読んでおいてくれ。何か疑問や意見があるなら遠慮なく言ってくれたまえ。では……」
ナズーリンは側に置いてあった籠から黒いプラグと透明の液体の入った容器を取り出した。
ごろん、と四つの黒い塊が畳の上へと転がる。液体を片手に持ったナズーリンは上機嫌にそれを振り回す。
「仕込みに入ろうか」
「ちょっと待ってナズ! 貴方は何をする気なの!? 5W1Hで答えて!」
「私にうんちを出させるために、この栓をご主人たちのお尻の穴に入れて、うんこをできないようにして、たっぷりと溜めさせていただきます」
「とても丁寧な説明ありがとう! たすけて――っ!!」
「ささ、こっちにお尻を向けてくれ。大丈夫! 賢将と呼ばれた私にお任せを!」
「わかりました!」
「あいあーい」
「ああんっ! 二人とも順応力高すぎだよ!」
にこにこ顔のナズーリンの前で、三人は四つん這いになってお尻を高く上げた。下着はすでに膝元までずり下ろされている。突き出された三人分のお尻を眺め、ナズーリンは鼻を押さえる。
「ここから秘宝が……。いかん、想像したら鼻血が……」
「ナズ? 大丈夫? 特に頭が」
「ああ! 大丈夫だご主人! 大丈夫じゃないほど大丈夫だ! じゃあ、ご主人からするぞ?」
「冷た……っ」
「どろり濃厚……くふふ」
ナズーリンが容器から出した液体はドロリとした粘性を持っていて、這うように星のお尻を伝っていく。
それを指にまぶしナズーリンは突き出した中指を星の菊座へと埋めていった。
直腸に埋まった指がぐにぐにと内部を動く。花の蕾を無理矢理こじ開けるようにして、星の菊座は次第にほぐされていった。
「良くほぐさないとな……。ああ、ご主人の香りだ……」
「ナズ? 何だかんだいって楽しんでない?」
「そんなことないぞ。私はするよりされる方が良い。そしてされるなら乱暴な方が良い」
「ああうん。そんな気はしてた」
やがて、ナズーリンの指が引き抜かれた。挿入されていたものを失っても星のお尻はすぐには閉じなかった。ペン先ほどのスキマを開けて、ピンク色の肉壁が蠢くのが見える。
そこに黒いプラグが添えられた。もちろんたっぷりと例の液体をまぶしてある。ぬらぬらと黒い栓がゆっくりと星の菊座をこじ上げていった。

「ッッッ! 痛ッ! 痛いッ!」
「深く呼吸して痛みを逃がすんだご主人。大丈夫、もうすぐ入るぞ」
「あわわ! あんなにお尻が広がってる!」
「でも星ちん、こなれるの早いね。才能あるかも?」
「あ、あんまり嬉しくない……いぎぃ!?」
かつてないほど菊座を押し広げるアナルプラグに星の瞳からボロボロと涙が零れる。フジツボ状に広げられた星の肛門を見て、橙は開いた口が塞がらないらしい。口を半開きにして、目の前の異常事態を鼻息荒く見守っている。
「ふぅ。全部入ったぞご主人」
「うう……。痛い……気持ち悪い……」
「ほ、本当に入っちゃった……。あんなに大きなのが」
「じゃあ、次は橙の番だな」
「え? ふにゃ――――っ!?」
「にゃはっ。大丈夫だよ橙。アナルプレイは最初は痛くても慣れたらヤミツキだから。あ、ナズりん。あたいはもっと大きいのでいいよー」
やがて橙もまたアナルをほぐされ、黒いプラグを体内へと埋め込まれた。最期の燐はナズーリンが解すまでも無くローションのぬめりだけでアナルプラグを簡単に咥え込んでしまった。

 

「す、す、素晴らしいっ!!」
お尻にアナルプラグが装着された三人の猫が目の前に並んでいる。可愛らしく揺れる尻尾の下に黒い取っ手が震え、ピンク色の肛門がわずかにちら見する。
橙と星は顔が青ざめ、お尻の異物感に必死に耐えている様子だ。それに対して二人よりも一回り大きなプラグを入れたはずの燐はケロッとした表情でお腹を擦っている。みんなと同じく自身にもアナルプラグを装着したナズーリンに至ってはおもちゃを買ってもらった子どものような表情で、股の間をすり合わせている。
「無理矢理出口を塞がれるこの感覚……よい」
「……そ、それでナズ、これからどうすればいいの?」
「ちなみに私のはバイブ機能付きだ」
「言葉のキャッチボール希望――――っ!!」
「おお失礼した、ご主人。とりあえず、四日ほどそのまま生活してくれたまえ」
「よっ、四日!? そんなに!?」
「一日二日だとそんなに量が出ないからにゃー。四日くらい待てばうんちが固くなるし、量も良い感じになるんだよ」
「お燐ちゃん、詳しいんだね」
「慣れてるからね!」
「そういう訳で今日はここまでだ。お尻の栓はお風呂でもトイレでも絶対に外さないこと。本番までに各自台本を暗記しておいてくれ」
「あーい。あ、さとり様にお尻禁止って言わないと」
「はい! 頑張ります!」
「……うん」
三者三様の返事を返しながら、この日は解散となった。
そして四日が過ぎ、運命の日がやってきた。

 

 

「っ! うああああっ!!」
鋭い爪が縦に走り、灰色の服は無惨に破られ去る。ハリのある乳房と滑らかな腹部が星明かりの下にかすかに輝く。恐怖のために上気した肌を見て、三匹のネコは一様に舌なめずりをした。
夜の森の中、地面に押し倒されたナズーリンに星は覆いかぶさる。見た目よりも大きな乳房に舌を寄せ、チロチロと先端を舐め上げる。胸の谷間に揺れるペンデュラムが異様に淫欲を刺激した。
「あぅ! くっ! んあっ! こ、この!」
恐怖の悲鳴に混ざる恍惚の息。それを敏感に聞き取り、橙はナズーリンの頬に舌を這わせながら加虐的な笑みを浮かべた。
「ははっ! こいつコーフンしてるよ! 襲われて気持ち良くなっちゃうなんてヘンタイさんだね!」
「ち、ちが……はあぁん!?」
「ふうーん。違うんだ。星ちゃん、もっと激しい方がいいんだって」
「そう? なら……ホラ!」
「くっ……んんっ!?」
カリッと乳首に歯が立てられる。それだけでナズーリンの身体は面白いくらいの反応を返して飛び上がってしまった。
その間に橙と燐はナズーリンの顔に口を寄せ、八重歯でネズミ色の耳を甘噛みする。乳首ほどの刺激は無いにせよ敏感な耳をいっぺんに刺激され、確実に快感は身体に溜まっていってしまう。すでに股間からは愛液が滲み出し、徐々に高まる快感に物欲しそうに口を開け始めていた。
三人に押さえつけられ自由にならない身体に代わり、ナズーリンは力の限り叫んだ。
「や……っ! やめ! やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「――あっ!? ご、ごめん、ナズ!」
ぴたりとナズーリンに伸びていた星の舌が止まる。
制止すること五秒半。
見つめ合う瞳と瞳。
「なに本当にやめてるんだご主人―――――――っ!!」
「痛――っ!! 殴った!? ぐーで殴った!!」
燐と橙を払いのけ肩と乳房を振るわせながら立ち上がるナズーリン。その瞳は憤怒に染まっている。
「ご主人!! こういう時の『やめてええええ』はむしろ『ファックミープリーズ』というサインだろう! 芸人がバンジージャンプする時に押すな押すなって言うようなものだろう! ツッコミ待ちなんだよ! 下半身的になあ!!」
「そ、そんなこと言われても! 本当にやめて欲しいのか演技なのかわからないんだもん!」
「私が本気でご主人を制止するのに、大声を張り上げる必要があるとでも思うのかい?」
「ソウデスネー」
「にゃはは。せっかくいい感じの雰囲気出てたのにね」
乱暴な手つきで服を着直し、ナズーリンは側に置いておいた台本を拾い上げた。
ちなみに代えの服もたっぷり5着用意しているらしい。
「はあ。雰囲気がぶち壊しだ。仕様がない。シーン3からもう一度……ん?」
「橙? どしたー?」
見ると、先ほどまでノリノリで演技していた橙は両手でお尻を押さえたままぷるぷると震えている。顔は血の気が引き真っ白で、視点は左右にしきりに動いている。
「ご……ごめんなさ……い。私、も……もう……!」
「ありゃりゃ、限界か?」
燐の問いにキツツキのように頷く橙。
ぎゅるる、と鳴り響く腹の音からも橙が本当に限界に近いことがわかる。
「むぅ……。これはまずいな。限界以上にうんちを我慢するのは非常に身体に悪い」
「一応言っとくけど、全部ナズが企んだことだよね?」
「仕方ない。今回のところは全部すっとばして、最後のシーンに移ろう」
「え? それって……」
星の強張った顔に向かい、ナズーリンは不敵な笑みを浮かべる。
「ああ。三人の執拗な寸止め責めの後、ご主人の尻尾でアナル開発されてお尻以外では満足できなくなってしまった私が、絶頂とともにうんちをしてしまい『このネズミうんち漏らしてる』『そんなにうんちが好きなら私たちの便器にしてあげるよ』と橙と燐に罵倒され、三人のうんちを口に直接排泄されるというシーンだな」
「よくそんなことを臆面もなく言えるね」
「そう褒めるなご主人」
「褒めてない!」
「あ……あのー。私……ほ、本当に漏れちゃいそうなんですけど……」
「ほら。ご主人のせいで橙が泣きそうじゃないか」
「私のせい!? 私のせいなの!?」
「ほらほら、そろそろ始めないと本当に橙が漏らしちゃうよー。けど、なんだかんだ星ちんは元気だにゃー。経験浅いのは一緒のはずなのにねえ」
「なるほど。つまりご主人は天性のアナルマニ――」
「はいはい! さっさと終わらせよー! ほらナズはさっさと仰向けになってね!」
「にゃはは! 盛り上がって来たねー! さあいってみよー!!」
「あ。私はうんちした後という設定だからな。このアナルプラグ本当はないんだからな」
そんなこんなで、ナズーリンは枯れ葉の上に寝転んだ。一度来た服をせっせと自分で破り、抜けかけていたアナルプラグをもう一度奥へと差し込んだ。口の中で舌を転がし、唾液を唇の端から垂らす。その濡れた舌をべろりと垂らし、ナズーリンは星たちを見上げた。
「あ……う……。うんち……うんちぃ……!」
「うっ!」
すでに役になりきっているのか上気して、息を荒げるナズーリン。すでに排泄の快楽に堕ちてしまったという設定ゆえか濁った瞳の背徳感に、星の背筋はぞくぞくと鳥肌が総立ちだ。
そんなナズーリンに燐はずいっと顔を寄せて、口の端を歪めるように笑みを作った。
「汚たな……」
「っ!!」
先ほどまで浮かべていたイタズラっぽい笑みはサディスティックな蔑みの中へ消えていた。
傍で見ていた星が唖然とするくらいの変貌っぶりだ。その金色の視線に貫かれ、びくんとナズーリンの身体が震わしぷるぷると顔を振った。もしかしたらこれは演技ではないのかもしれない。
だが、振り返った燐はもとの緩んだ顔に戻っており、ウインクで橙へと目配せした。
それを受けてようやく我に返った橙は、前かがみになりながらも必死にセリフを暗唱する。
「あはは! こ、このネズミ、うんち漏らしてる……よ!」
「そんなにうんちが好きなら私たちの便器にしてあげるよ!」
「そ、そんな……! やぁ……っ! べ、便器なんてぇ……!」
うわあ。
「――ほら、星ちん。セリフセリフ」
「え!? あ、えっと……。な、なに嫌がったふりしてんの! 本当は嬉しいクセに!」
「ちが……ちがう……」
「違わないね。あんたはもううんち無しじゃ気持ちよくなれない変態なんだよ!」
黒い下着を脱ぎ去り、燐はそれをナズーリンへと投げつけた。そして、赤いスカートを捲り上げ、ナズーリンの前に緋色の口を堂々見せ付ける。
いつの間にかアナルプラグは外されていた。黒い欠片のこびり付いたその出口にナズーリンだけでなく、星や橙ですらごくっと生唾を飲み込んでしまう。
「ほら、その便器口開けな。あんたの大好きなうんちをあたい達がたっぷり食べさせてあげるよ。ほら二人も。遠慮なんかいらないよ。こいつはこういうのが大好きなんだから」
慌てて星と橙も燐にならい、プラグを外してお尻をナズーリンへと向けた。
三者三様の臀部がナズーリンの前へと並ぶ。
そして、その中央に鎮座する三種の蕾。プラグの外されたそれは、四日分の堆積物の重さに細かく開門繰り返す。
特にそれが激しいのが橙だ。他二人より20テンポは速く動く肛門が、ふわりと開いた。
ぶっぷぅ! ぷぴっ!
「――ひにゃっ!」
突然の破裂音に橙は目を見開いた。すでに限界に達していたところでそれを押さえていた栓を外してしまったため、溜まっていたガスが一気に噴き出したのだろう。
顔を真っ赤にしてお尻の穴を締める橙だが、すでに特濃のガスはナズーリンに降りかかった後だ。
「ごほっごほっ! く、臭い……」
それは演技が本音か。涙目になって顔を背けたナズーリンに橙の恥じらいは極限まで達し、それに合わせるように橙の菊座の開閉は激しくなり、続く本命を一気に押し出し始めた。
「う……くっ! んんんっ!」
「ああ……うんち……化け猫うんち……っ!」
みちみちと肉を裂く音が響き、茶色の尖兵が顔を覗かせた。橙の菊座が消化器官の末端としての役目を果たし始めたのだ。
「星ちん」
「う、うん」
小さな燐のつぶやきに星も頷いた。
ナズーリンはすでに仰向けになって口を大きく開けている。口内には粘っこい唾液が糸を引き、これから始まる倒錯行為への期待のため、ごくりと喉を鳴らしている。
その口へ向けて燐も星も肛肉を向けた。三人のお尻がナズーリンを囲うように突き出される。それを見て、ナズーリンの鼓動ははち切れんばかりに高まっていく。
「橙。もういいよ。あたいらも橙に合わせるから」
「うん! うん! ふっ! んに――――っ!」
我慢に我慢を重ねた橙はようやくやってきた言葉に一気に力み始めた。それに合わせ、燐も星も腹の力を込める。
「はっ! はっ! はっ! んぐぅ! か、固いよぉ!!」
「ん! にゃは! やっぱり四日分ともなると出し甲斐があるにゃー」
「な、ナズ? ほ、本当に出ちゃうよ! いいの? 本当にいいの?」
最後の最後、星は一度だけ確認した。ウンコ座りの姿勢から覗くナズーリンはとろんと蕩けた顔で星を見つめているだけだった。
「あ……あ……――――っ!!」
「んんんんっ……!」
「あ! ナズ! ナズ! ナズ!!」
すでに顔を覗かせていた汚物の固まりは、肛門をこれ以上内ほどこじ開け、三人の中から開放された。
四日間腸内に留まらされた汚物は余分な水分を完全に奪い取られ、コンクリートのように黒々とした色と強烈な匂いと確固たる固さを持っていた。太さも申し分なく、もっとも太い燐のモノは直径五センチにも及ぶ巨大なものだった。
それが三本。視界全てを覆うように降り注いでくる。
「ああ……」
視界を覆い始めた黒。それが伸びる三人分の白。そして、その遥か彼方に見える夜空の光。
ナズーリンはその全てを吸い込むように大きく目を見開いた。
「…………ああ……あくぅ」
三人が全てを出しつくした後、ナズーリンの上には巨大な糞山がそびえていた。
灰色の髪には汚汁が染み込み、大きく汚物が横断している。
大きく開かれた口は顎が外れんばかり。もちろんその中にも巨大な糞の固まりが所狭しと詰め込まれ、唇の端からこぼれ出していた。
鼻から眉間にかけても便が縦断し、茶色の腸液が目に入ったナズーリンは右目をきつく閉じていた。
「……綺麗なお化粧できたじゃない。じゃあ、仕上げだね」
星の言葉を受けて、三匹の猫が股間をナズーリンの顔に向けた。
金色の奔流がナズーリンの顔に降りかかる。黒い汚物の山を溶かしていく金色のシャワーは夜の森に湯気を立ち昇らせる。
そして、その山の中で窒息せんばかりのナズーリンは、今までにないほどの至福の表情を浮かべていた。

 

 

「で、では、し、失礼します!」
「今日は楽しかったよ。またするなら是非呼んでね」
「うん。ナズに言っておくよ」
そう言って橙と燐はそれぞれの家へと帰って行った。
幸せそうな顔で眠るナズーリンを背負った星は苦笑しながら、命蓮寺への道のりを歩き始めた。
夜はすっかり更け、蟲の声すらまばらになっている。全てが止まってしまった世界の中、星は空を見上げながら歩き続ける。
「ん……」
「あ。ナズ? 起きた?」
「ご主人……? 私は……?」
「気を失ったんだよ。まったく、うんちで酸欠なんてとんだオチだよ」
「……………」
ナズーリンは無言で星の肩に顔を擦り付けた。
そのナズーリンらしからぬしおらしさに、背中を押す二つの膨らみに、手にかかる軽い体重に星の身体はびっくりするくらいに熱くなる。
「うんちが洗われてる。もったいない」
「そこ!? 珍しく大人しいなと思ったらそこなの!? ああもう!」
「ご主人が洗ってくれたのか?」
「え? あ、うん。近くの川でざぶざぶね。余計なお世話だった?」
「いや、ありがとう」
「そ、そう素直に礼を言われると調子狂うよ」
「本心だ。こんなことに付き合ってくれて本当に嬉しい。私は良い主人を持った」
「…………別に」
夜道を噛み締める音だけが響く。
「……ご主人。もういい。降ろしてくれ」
「いいよ。寺までおぶっていくよ。そのくらいはね」
「ご、ご主人……」
「たまには主人らしいことをさせてよ。ナズ」
「ご主人。実は……」
何故だが小刻みに身体を震わせるナズーリン。
ぎゅっと星の肩を掴み、身体を押し付けてきた。
ナズ。泣いているの?
何かまずいことを言ったのだろうか、と星が思案していると、蚊の鳴くような声でナズーリンは囁いた。

「実はアナルプラグがない。どこかに行ってしまったらしい」
「――え?」

 巨大な金槌が星の頭に振り下ろされた。
しかし、ナズーリンは淡々と告白を続ける。
「そして凄い催してきてしまった。というかもう出る。絶対出る。我慢できない」
「ちょっ! ナ、ナズ!? 待って! ちょっと待って――――っ!!」
「む、無理だ! というかご主人、ちゃんと身体拭いてくれなかったな! なんかお腹が冷えて痛い! うあ! で、出る! 出るううううう!!」
ぎゅっ、と強く星の肩が掴まれた。同時に腰に回していた足でしっかりと身体を固定する。
奇しくもおんぶとはうんこ座りに似ている。
ナズーリンはその全身を星に預け、燃えるように熱い体内の堆積物を開放した。
「いや! 止めて! 離して! いやああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
爆発するような排泄音の後、星の背中には生温かい感覚がべっとりとこびり付いていた。
結局、服はもう一度川で洗うはめになり、二人は全裸のまま川岸に座った。
「……すまない、ご主人」
「……いいよ。お互い様だし。乾くまでこうしてよ」
素直に謝るナズーリンを見ながら、星はふうと息をついた。最近、色々なことがありすぎた。全てはナズーリンのせいだ。おかげで酷い目に会っている。そうはわかっていても、
(ナズがいいなら、いいかな……)
そんな気分になってしまう星だった。
ナズーリンは晴れ晴れとした表情で空を見ていた。遥か空の向こうからは二人を星の瞬きが覗いていた。




管理人:ウナル
2009年6月5日 開設
Copyright© blackmanta All Rights Reserved.

inserted by FC2 system